結膜下出血とは、眼球表面を覆っているぷよぷよとした白目の部分(結膜)という部分の下に出血した血液がたまることで、目が赤く見える状態です。
結膜下出血
結膜下出血の症状
結膜下出血の主な症状は、「目の赤み」です。白目の部分(結膜)が赤くみえます。
出血の程度により、目が赤くなる部分が点状であったり一部分であるものから白目全体が赤くなるものまで様々です。
結膜下出血のみであれば、痛みやかゆみはなく、視力低下などの症状もありません。そのため、鏡をみて気付いた、あるいは、人に指摘されてはじめて気づき受診されるということが多いです。
結膜下出血の原因
結膜下出血は、目の表面を覆っている白目の部分(結膜)の血管が破綻して出血し、結膜下にたまり、赤い血液🩸が白目の表面に見えることで生じます。
結膜下出血が生じる原因として、打撲などの外傷やこするなどの刺激、くしゃみや咳などでのいきみなどが知られていますが、実際は原因が不明であることが多いです。
結膜下出血は、
風が強い日や乾燥した環境、ドライアイなど目の表面が乾燥して血管が切れやすい状態になっている場合、
アレルギー性結膜炎や結膜弛緩症、出血性結膜炎などの眼疾患がある場合、
高血圧症や糖尿病などの動脈硬化疾患や、貧血・白血病・血小板減少症などの血液疾患、抗がん剤治療などでで血管がもろくなっている場合、
血液がサラサラになる薬(抗凝固薬)を内服している場合、
コンタクトレンズによる刺激や、あっていないコンタクトレンズの装用、
飲酒🍺や睡眠不足などでも起こりやすくなることが知られています。
結膜下出血の治療法
結膜下出血は、通常1~2週間で自然に治りますが、1~2か月かかる場合もあり、何度も繰り返す場合もあります。
結膜下出血のみであれば、特別な治療は必要はありません。時間とともに自然に消退し治っていきます。
しかしながら、目の乾燥やドライアイに伴うものであれば人口涙液の点眼薬を、結膜炎などに伴うものであれば抗炎症作用の点眼薬を使用することで根本的治療や再発予防をすることができます。
外傷や結膜弛緩症によるものであれば、外科的処置が必要となる場合もあります。
高血圧や糖尿病、貧血など全身性疾患が要因である場合は、内科治療が必要です。
結膜下出血を何度も繰り返したり、長期間変化しなかったり、他の症状があったりする場合は、他の眼科疾患や内科疾患の可能性がないか確認することが重要です。
視力の低下や痛み、かゆみ、めやになど、「目が赤い」以外の症状がある場合は、必ず眼科を受診して下さい。
結膜下出血に対して自分でできること
結膜下出血の原因として、外傷や結膜炎など他の眼疾患ではなく結膜下出血のみであると診断された場合は、目を温めることで血液の吸収が早くなり結膜下出血が早く治ります。
基礎疾患がある人は、原因となる病気や生活習慣の改善が必要です。
高血圧や糖尿病など動脈硬化疾患がある人は、生活習慣病をコントロールしたり、アレルギーや感染症を適切に治療したりすることが大切です。
コンタクトレンズ装用者の場合は、コンタクトレンズが目にあっているか眼科で確認しましょう。コンタクトレンズのサイズやベースカーブなどフィッティングがあっていない場合があります。
花粉症(アレルギー性結膜炎)がある人は、目やにが溜まった時はティッシュなどで拭いて、かゆくても手で擦らないようにしましょう。
目の乾燥を防ぐために、加湿器などを利用して空気の乾燥を防いだり、点眼をすることも効果的です。長時間のスマホやタブレットなどの使用を控えたり、目の渇きを感じたら目薬をさしたりするなどの対策をとりましょう。
栄養不足や疲労、睡眠不足💤も血管を弱くしたり涙液の分泌が減少するなど、結膜下出血が起こりやすくなります。ビタミン類などしっかりと栄養をとり、十分な睡眠をとるなど体を大切に健康的にすごしましょう
結膜下出血まとめ
結膜下出血は、目の表面を覆っている白目の部分(結膜)下に血液がたまることで生じます。
結膜下出血は、基本的には自然に治りますが、点眼薬を使用することで根本的治療・予防的治療ができる場合もあります。
結膜下出血に別の病気が隠れていることもあります。眼科疾患や内科疾患のサインであることがあり、眼底出血、高血圧症、白血病などがみつかることも少なくありません。
結膜下出血は、白目(結膜)が赤くなるだけの病気です。
「目が赤い」以外の症状があれば別の病気が潜んでいます。
安易に自己判断をせず、早めに眼科で検査を受けましょう。