充血とは、血管が拡張して赤くみえる症状で、充血をきたす目の病気はたくさんあります。
目の充血はよくみられる症状のひとつですが、なかには失明👁🗨にいたる病気や内科疾患の場合もありますので、充血が続いたり、目のかすみなど他の症状があったりする場合は、必ず眼科を受診してください。
また、目が赤く見える病気には、充血のほか結膜下出血が原因の場合があり、鑑別が必要になります。
充血がみられる病気
- 結膜炎：目の表面の膜に炎症が起こる病気です。感染やアレルギーなどが原因で、目やにやかゆみなどの症状があります。
- アレルギー性結膜炎：鼻の粘膜にアレルギー反応が起こる病気です。花粉やダニ、ほこりなどが原因で、充血、目のかゆみ、目やになどの目の症状だけでなく、いわゆる「花粉症」の症状(くしゃみや鼻水、のどのイガイガ感など)も生じることがあります。
- 角膜炎：目の黒目の部分に炎症が起こる病気です。細菌やウイルスなどの感染や、ドライアイなどが原因で、眼痛や視力低下などの症状があります。
- 虹彩炎：眼の中の虹彩という茶目の部分が炎症を起こす病気です。目の痛みや充血などの症状が出ます。ヘルペスなど感染によるものや、全身の病気と関連していることがあります。
- 強膜炎：白目の強膜という部分が炎症を起こす病気です。目の痛みや充血などの症状が出ます。関節リウマチなどの全身性疾患と関連していることも多いです。
- ぶどう膜炎：目のぶどう膜と呼ばれる目の中の血流がある部分(虹彩・毛様体・脈絡膜）に炎症が起こる病気です。感染や自己免疫疾患などが原因で、原田病・ベーチェット病・サルコイドーシスなどの疾患の他、糖尿病でも生じることがあります。視力低下や眼痛などの症状があり、失明にいたることもあります。
- ウイルス性結膜炎：流行性角結膜炎、咽頭結膜熱のようなアデノウイルスによるものや、急性出血結膜炎などエンテロウイルスやコクサッキーウイルスによるものなど、様々なウイルスにより生じます。炎症をおさえたり、細菌の混合感染を予防するための点眼薬を使用します。
- 流行性結膜炎：アデノウイルスによる感染症で非常に感染力が強い病気です。充血やめやになどの症状だけでなく、角膜炎など目のかすみが生じることもあります。
- 眼ヘルペス：ヘルペスウイルスによる目の感染症です。眼痛や視力低下などの症状があります。
- 帯状疱疹：水痘・帯状疱疹ウイルスによる再活性化感染症です。神経痛や水ぶくれなどの症状があります。
- 風邪(感冒)：咳や発熱などの症状に伴い、充血が生じることもあります。
- ドライアイ：目の涙の分泌が少なかったり、涙の蒸発が亢進していたり、マイボーム腺機能障害など涙の質が悪かったり、結膜弛緩症などで涙のたまりが少なかったり、閉瞼不足などで眼が乾燥してしまうことで生じます。
- 結膜弛緩症：加齢や目をこする・コンタクトレンズの使用などにより、結膜と呼ばれる白目の表面の部分がたるんでしまい、目のごろごろ感やドライアイ、流涙、結膜下出血、角膜びらんなどの原因になったりします。
- 翼状片：目の白目の部分に角質が増殖する病気です。紫外線や乾燥などがリスク要因です。
- 眼精疲労：目の筋肉や神経が疲れる病気です。長時間の読書や画面の見過ぎ、寝不足などが原因で、目のかすみや頭痛などの症状があります。血管を広げて目への血液量を増やすことで、目に必要な酸素を届け、疲労を回復させるための、身体の生理的な反応で生じます。
- 緑内障(急性緑内障発作)：目の圧力が高くなって視神経に障害が起こる病気です。眼圧が高いと眼痛や頭痛などの症状がでる場合があります。当初自覚症状がないうちに失明にいたるため、症状がないうちに眼科で定期受診をすることが推奨されています。
- 内反症：まぶたが内側に向かってしまっている状態をいいます。睫毛内反などのいわゆる「逆さまつげ」を生じていることが多いです。充血のほか流涙やゴロゴロ感などの症状だけでなく、角膜を傷つけたり、視力低下をきたすことがあります。
- 外反症：まぶたが外側に向かってしまっている状態をいいます。 加齢、外傷、顔面麻痺などによって引き起こされ、目を閉じきることが難しい状態となるため、いわゆる兎眼の状態となりやすく、ドライアイや角膜炎など角膜障害をきたしやすくなります。
- 甲状腺眼症：甲状腺に関係した自己抗体が眼球や眼球の周りの組織に炎症をきたすことで、眼球突出や複視、充血、眼瞼浮腫などが生じます。甲状腺機能が亢進した状態（甲状腺機能亢進症の例：バセドウ病）でも低下症（甲状腺機能低下症の例：橋本病）でも、また甲状腺機能が正常であっても甲状腺眼症は起こります。
- 内頚動脈海綿静脈洞廔：内頚動脈が海綿静脈洞内で出血する病気です。眼球突出や拍動性雑音などの症状があります。
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